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急変③~劇症型心筋炎との闘い~

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大学病院での検査結果はトロポニンⅠ 123171.1
~劇症型心筋炎との闘い 急変③~

大学病院での検査結果はトロポニンⅠ 123171.1~劇症型心筋炎との闘い 急変③~

循環器医師からIC.

「IMPELLAは繋いだけど、ECMOも回している。2台回さないと心臓はほとんど動いていない。機械がないと死んでしまう。炎症が高いから採血結果も悪い。クレアチニンもALTも高く、多臓器にも影響がでてきている。心臓の回復を待つしかないが、多臓器が助からないこともあるかも知れない。機械をつけているので、血栓が飛ぶリスクもある。しかし、救命が優先。

今、県内で一番重症患者。この病院で一番重症ということは、県内で一番重症と言うこと。

○病院から搬送してもらったタイミングは早かった。○病院の医師の判断はとても良かった。ここのベッドもなかなか空かない状態で、ホントにタイミングが良かった。運が強い。普通の人なら、ここまで来るまでに、死んでいる場面がたくさんあった。」と。

私はこのICで絶望という言葉がよぎった。

「心筋炎」と診断された時、劇症型になってもPCPSに繋げば何とかなる!と言い聞かせた。「劇症型」になった時、IMPELLAに繋げば何とかなる!心臓の回復に問題が残っても、その先は、人工心臓で移植を待てば良い!そう思っていた。次の選択肢があったから…

でも、多臓器不全は、もう選択肢がない。移植もできない。

また、頭が真っ白になった。話を聞きながら号泣する涙も出ない。医師の声が耳を通り過ぎていった。「多臓器不全」と「もう、選択肢がない…」という二つのことしか頭になかった。


<転院時10:00血液検査結果>*転院にて若干の正常値、結果の単位の違いあり。

CRP14.39↑(正常値:0.2以下) トロポニンⅠ123171.1↑(正常値:26.2以下)CKーMB220↑(正常値:6以下) CK7562↑(正常値:45~226) AST634(正常値:9~37) ALT169(正常値:3~49) クレアチニン3.11(正常値:0.5~1.2)



ICには私と娘2人。義姉の4人で聞き、他の人は控え室で待っていた。頭真っ白の、使い物にならない私に代わり、長女がICの内容を伝える。みんな、泣く事しかできなかった。

その後、ICUで面会ができた。待機している人全員許可が出て、4人ずつ面会した。

最初は、私と娘2人、義姉の4人で入った。「パパ、わかる?おいて逝かんとってよ。」私が言うとみんな号泣。それぞれが「パパ、頑張ってよ。まだやることいっぱいあるんよ」「一緒におりたい」「パパ、おかーにー!ってまた呼んでよ!」義姉は、「弟やのに、私より先に逝ったらいかん!」麻酔が効いているのはわかっているけど、やっぱり手を握っても握り返さない。返事もしない。全身機械に繋がっているパパを見るのはホントに辛かった。次女はただただ泣いていた。その後、私はずっと居て、順番にみんなが交代で入って面会した。Y子さんは「おとーにー!私は3人の面倒みきれんよ!(私と娘達の事)私と結婚してくれんでえーけん。頑張ってよ!」と泣きながら言う。

「Y子さんは、お節介なところもあるけど、それがY子さんやん!幸せになって欲しい」と、パパは言っていた。でも、そう言った後すぐに「でも、わしはY子さんとは結婚せん!(笑)」と言っていた。そんな面白おかしい話を、3人でしていたのは、ついこの間の事。

なのに、今は喋る事も、笑うことも、呼吸をすることもできない。心臓は動いているけど、命を継続するには2台の補助循環装置の力を借りないといけない。

みんな「待ってます!」って言うのが精一杯で泣きながら言っていた。

今思えば、あの時ICUでは、医師もスタッフも、「危ないな」と思っていたのではないかと思う。その時は「全員良いん!?」って半分びっくりした。夜間帯でもあったにも関わらず、順番に面会させてくれたのは、助かるかどうか。際どい状態であったんでしょう。

ICUを出るとき「また、明日来るけん。」って、昨日と同じように声をかけた。そして、昨日と同じにならないように「寂しいけんって呼び出さんといてよ。」ってお願いしておいた。

ほんとに夜の電話はびっくりする。こっちの心臓がもたない…

帰宅の車内で、やっぱり泣く。私は娘達に言う「家売ってでも、絶対助けるけん!」具体的に何か考えていたわけではないが、漠然として「金がいる」「2人分の収入がストップする」と感じてそう言った。今は、とにかく助かって欲しい。その後のことはなるようになれば良い!と思っていたけど、娘達には新築3年目のおしゃれな家は手放す事になるかもしれないと、覚悟させる意味でそう言った。

帰宅後、ぽっぽのゲージの前で号泣する。夫婦2人の会話を思い出す。娘達が2階に上がって、夫婦2人の時、私は寝る前にぽっぽのブラッシングをしてから寝ていた。ぽっぽは、足から尻尾にかけてブラッシングを嫌がる。パパは、私がブラッシングしていると、リビングのソファからこっちを見て「ぽっぽ、噛んじゃれ!(笑)」といつも言う。「うるさい!ぽっぽは、噛まんよね~」と言い返すが、これはフラグ!(笑)毎日、足回りのブラッシングを始めると「ニャ!」甘噛みして怒る。その様子を見て「なんで噛まれないかんのよな~。(笑)まぁちゃんとぽっぽは、おもろいな~」と嬉しそうにケタケタ笑う。

そんな日常を思い出し「もう、嫌っ!帰ってきてほしいんよ。おかーにーって呼んで欲しい。」長女曰く、この時一番泣いていたと。長女は、自分が私を支えんといかん!って思っていたらしいが、そう言いつつ、この時は、選択肢がなくなる「絶望」という言葉が近寄ってくるようで怖くて、不安で、自分ではどうすることもできない焦りで、いろんな感情を処理することができなかった。

帰宅後は、従兄弟2人と連絡を取った。2人とも亡くなった叔父さんの葬儀で「助けてやってくれ!来ても追い返してくれ!」ってよーに言うたんやって。喪主を務めたTちゃんは、我が家が欠席していて、遠慮ない存在が4人もいなくて大変やったみたい。辛そうやった。パパがこんな状態じゃなかったら、うちらの家族は一番頼りになる存在やったのにね。そういう付き合いをしてきたから。なのに、なんでこんなことになるんかな。これも必然!?どんな意味があるんやろ。

この日は、24時間とは思えないぐらい長く、いろんな事があって、夜になってみれば「24時間でこんなにたくさんのことがあったんや…」と改めて思った。何も食べてないのにお腹は全く空かない。とりあえず、パパの買っていた「まるごとイチゴ」は長女が食べていた。

「パパ!もったいないけん、食べとってあげよわい!(笑)」ちょっと空気を変えようとした長女が言いいながら食べていた。3人で、朝まで連絡がない事を祈りつつ、すぐに出れる準備をして就寝する。


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