CSサロンVENUS
お問い合わせはこちら ご予約はこちら

初めての面会~CHDF・輸血開始~

初めての面会~CHDF・輸血開始~


インターホンを押す「面会良いですか?」ドキドキする。

インターホンから聞こえる看護師の対応の声のトーン、口調、対応までの時間…いろんな事が気になって、ボタンを押すのは怖いくらいやった。この時の対応も「あ~。はい。少しお待ち下さい」

中待合室で呼びに来てくれるまで待つ。そして呼ばれて、パパの所へ行く。顔色は昨日より良い。


<CHDF(持続的血液濾過透析法)、輸血開始>

昨日からベッド周りは機械だらけ。

人工呼吸器に始まり、輸液だけでも数本あり、ラインも合わせると身体から何本のチューブが出ているのか?

シリンジポンプの数は2桁。私も長女も看護師だが、あのシリンジポンプの数にはびっくりした!

点滴棒のような1本の棒の両側にシリンジポンプが縦に並んで設置してある。それが2セット!

長女と2人で「シリンジポンプの木」と呼んでいた。

昨日から手を握れるスペースは狭い。と認識していたが、更に狭くなっている気がする。何か多くなってる!?


ベッドの足元側には静かなICUで、ゴーゴーと耳に入ってくる音を立てて、パパの心臓の代わりをしてくれているECMO。

太いチューブが両鼠蹊から出てぐるぐると血液を回す。ECMOの周りは暑い。

そして、目線を変えていき…「あっ。これや…」

CHDFが回っている。そして、昨日はなかった点滴棒がもう一本。輸血。当然、ルートも追加。

透析について説明はうけていたが、実際に腎機能が悪くなって、透析を行わなければならなくなった。という現実が辛かった。が、AZ医師の言葉に救われた。

「透析をするのは、想定していたことです。機械に出来ることは全部機械に任せたら良いんです。心臓の負担を少しでも減らして、心臓に頑張ってもらうのは、心臓のことだけにしたら良いんです。腎臓も肝臓も肺も機械でできることは全部助けてもらったら良いんですよ。」と。

その言葉を聞いて、「確かに!」機械でできることは任せたら良いんよ。今は、心臓に頑張ってもらう事だけに集中してもらおう。

左鼻腔にイレウス管が入っていて、鼻腔の入り口に傷ができていた。まだ、発赤程度であったが、おそらく潰瘍になるであろう。やっぱり太い管は皮膚に悪い。けど、命があれば傷は治る!

足背にマジックで脈圧が触れるように印をつけているが、左より右が弱い。血管外科の患者がいる病棟で勤務している長女は、日頃、家でもパパの足趾の色や足背の脈圧を見ていた。もちろん、発症後も面会時には1日1回は足背の脈圧を見ていた。「右が弱い」と、心配していた。

今日、面会時には、右下腿に血流補助ラインをとってくれていて、2人で喜んだ。

今は救命第一やけど、ちゃんと社会復帰まで見据えて、血流不良から下肢の壊死を招き、切断なんてことにならないように考えてくれているんかな…と、勝手に思って嬉しくなったのと、全身状態をちゃんと診てくれていると安心する材料でもあった。機械と管だらけであるのと、絶対安静の為、体位変換が十分にできない状態であり、体重もかなりある。

絶対褥瘡もできる。鼻の発赤同様、褥瘡も動けるように、動かせるようになれば治る!心配ない!心配なのは、神経。

片足だけでもかなりの重さで、外旋傾向。腓骨神経麻痺を予防せねば!面会時間は足の外旋を気にして、クッションの当て方を変えて良肢位保持に努めた。

1:1の看護でも、常時ベッドサイドで見ていることはできない。ましてや、家族面会中は席を外す。

家族が看護師2名で面会しているのだから、このくらいの事気をつけて当然。やって当然。

パパがリハビリ開始した時に、少しでも辛くないように…そう思いながら面会時にはできる事をした。


今日は、インターホンを押して、中で待って入って顔を見た瞬間、顔がすっきりしていた。発症前の顔に近づいていた!

髭剃りしてくれていた!それも、めちゃくちゃ綺麗に。

今日の担当の看護師に「髭、剃ってくれたんやね…。ありがとう…」泣きながらお礼を言った。

こんな重症の状態でも、髭を剃ってくれて、ほんとに嬉しかった。感動した。


私は、自分の仕事でも髭剃りと口腔ケアには厳しい。

髭の剃り残しや口の中に痰の付着があったり、やったか、やってないのかわからない状態であった時には、自分でやり直したり「誰がした?」とケアをしたスタッフに注意する。

たかが髭剃り…。と思う人もいると思う。

でも、家族は、発症前の元気であった頃と近い見た目を望んでおり、髭はその人の顔の印象を大きく変える。

何より、「大事にしてもらっている。ちゃんと見てくれている」と感じる。

私はそう思ってケアする側で関わってきた。

だから、普通の人より過剰に感じたのかもしれないが、ほんとに、ほんとに嬉しくて涙が止まらなかった。


そして、マウスウォッシュを依頼される。

スポンジブラシは「1本20円で提供しています。それで良いですか袋に10本ぐらい入って、お得な物も売っているんですけど、10本も使わないかもしれないし…」ってICU看護師から言われて、10本使わないかもしれない。と言う言葉もすごく嬉しかった。

この日の看護師は、プライマリ看護師で入院時に対応してくれた人。

ちびまるこちゃんのたまちゃんに雰囲気が似ていて、勝手なイメージやけど、ICU看護師っぽくない雰囲気であった。

でも、ICUという場所だからこそ、こういう優しい雰囲気できっちり看護してくれる人が必要なんだな。と感じさせられた。

看護師であっても重症患者の家族で、頭が真っ白になって、何も考えられない時もある。

「私に聞かんといて!」って気持ちにもなる。顔を見る度、家で考える度に泣く。

娘達、特に次女の心配もあり、余裕のない時に、今日の看護師の言葉や看護は私の心にすごく響いた。私も見習いたい。


Mちゃんが石手寺のお守りを持って来てくれた。「生きろ!」ってマジックで書いていた。

「パパ、Mちゃんがお守り持って来てくれたよ。お守りに生きろ!って、落書きしとるよ。(笑)お守りって直接書いてかまんの??(笑)Mちゃんらしいね!(笑)」そんな冗談を言いながら枕元に置くが、やっぱり涙が出る。

この日Mちゃんが、パパの仕事関係の一部の人に知らせたい人がいる。とアピールしてくる。

パパにとっても特別な存在やと思う。と言うが、ICUは家族以外面会できない。面会もできないのに知らせても…と断る。


私は、私以外の人からパパの事を知らせたくなかった。

理由は、劇症型心筋炎という病気のことをよく知らないのに、説明できるわけがない。

医療従事者でも詳しく知らない人が多かったのに、一般の人が医療知識のない一般の人にわかるように説明できるとは思わなかったから。

そうなると「よくわからんけど。危ないらしいで-」となる。

わからない人が無責任に話して、回って、回って「もう駄目っぽい」って、話になる。

私はその無責任な言葉の言霊が怖かった。そして、仕事関係では、誰でも敵は多い。責任者という立場もあり、本人の性格、キャラもあり、絶対敵は普通より多い!という自信はあった。変な自信やけど…

それと、元気になる!絶対助かる!と思っていたから、あんまり早くみんなに知らせろ!的に感じられる言動は不愉快であった。そんなつもりはないんだろうけど、最期に会わせろ。って、いう感じに聞こえる。

義姉も来院して面会した。そして、泣く。

義姉は「50にもなる弟の顔をこんなに撫でる事ない。」と泣きながら撫で回す。(笑)

帰宅すると、Y子さんが来てくれる。みんなに支えてもらって何とかなっている。


<血液検査結果>

CRP15.39(正常値:0.2以下) トロポニンⅠ42906.1(正常値:26.2以下)CKーMB122(正常値:6以下) CK3857(正常値:45~226) AST160(正常値:9~37) ALT86(正常値:3~49) クレアチニン4.39(正常値:0.5~1.2)

血色素量9.5(正常値:13.5~17.6)血小板数11.3(正常値:13.1~36.9)


*CRPは上昇しているが、実際の炎症より遅れて数値に出てくるので、そこまで心配はない。

 12万あったトロポニンⅠが4000台まで下がった!トロポニンは心筋損傷の目安となる。

 CKは骨格筋や心筋が破壊されると上昇する。CK-MBはCKの中でも心筋由来であり、心筋の障害の程度がわかる。

 その二つの数値が前日からCK7862→3857 CK-MB220→122まで減少している!

 肝機能も、AST634→160 ALT169→86 に減少。

 しかし、クレアチニン3.11→4.39に上昇。腎機能が悪くなって、CHDF。

 血色素量14.8→9.5 血小板数14.8→11.3に減少。輸血開始。


----------------------------------------------------------------------
CSサロンVENUS
〒791-0245
愛媛県松山市南梅本町62-8
電話番号 : 090-6887-6857


----------------------------------------------------------------------

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。