1月30日（木）②

＜ECMO、IMPELLA抜去＞　

※ECMO(エクモ)→体外式膜型人工肺

※IMPELLA(インペラ)→補助循環用ポンプカテーテル・経皮的補助人工心臓

いつものように、長女と2人で中待合室で待っていると、足速に歩く足音が近づいて来る。ちょっと不安な気持ち…

そして、ドアが開いて目に入ってきたのはパパの担当医師。

また、私の心臓はバクバク！

でも、医師は明るい表情で説明する。

「心臓の動きが回復してきて、IMPELLAが心臓の壁にあたりそう。傷がついてしまわないように、今から抜きます！」

心エコーの映像を見せながら、いつもより早口で、いつも通りに丁寧に説明し(笑)

小走りで処置に向かう。

しばらく待つ…

どのくらい待ったのか。はっきり覚えてないけど、とにかく無事に抜去できる事だけを祈った。

そして、また足速に歩く足音！

またまた、私の心臓がバクバク！

今度はドアを開けたその場所で、医師が急いで嬉しそうに言う。

「IMPELLAは無事に抜けました！抜いても心臓の動きが良いので、このままECMOも抜きます！」

と言い、また早足で処置に向かう。

長女は、2つの装置を同日に抜去できる事を「パパ、凄いよぉ！」と、喜んでいた。

私は、喜びよりも、無事に抜去できるか不安が大きかった。

循環装置を外す時や、チューブを交換する時にはリスクがある。

身体の一部のように、血液を循環してくれていても、ほんとの身体の一部ではない。血液がチューブや機械に付着して血栓となり、交換や抜去の際に血栓が飛ぶ事がある。

血栓が肺に飛べば、肺塞栓。脳に飛べば、脳梗塞になる。

その説明も聞いて、理解もしていたので、手放しで喜ぶ事はできなかった。

そんな私を見て、長女が「お母さん、パパは大丈夫よ！」と言ってくれる。

それでも表情の硬い私に

「ウチの病院のH先生でも、30分ぐらいでPCPS抜いてくるよ。トラブルがあった事はないよ！」

と言う。

この言葉で、随分安心できた。

やっぱり、実際に関わった話を聞き、関わった人から具体的に言われると安心する。

パパは、見事に奇跡の生還を果たした！

機械から卒業して、自分の心臓で、自分の生命を維持できるようになった！