劇症型心筋炎発症74日目～血管外科⑭～

4月8日（水）

 

朝から覚醒を維持するために、車椅子で過ごす。

 

今後の相談を、プライマリーナースのYさんと話す。

連日の夜間不眠で、私の方がもたない。

でも、睡眠導入剤は減量していきたいし、身体拘束はしたくない。

そうなると、夜間は今まで通り家族が付き添わなければならない。

そこで、私は日中帰宅する方向で慣らしていく。

今日は、10:20〜16:00まで一時帰宅。

 

私の帰宅中は、興奮なく、リハビリ後に「帰る」と言うので、自室まで自力駆動促して、その後はまたステーションで過ごしたそうだ。

 

来院時、ステーションで静かにしている。

私が顔を見せて「帰る？」と、聞くと、嬉しそうな表情。

帰室後は穏やかで、TVを見て話したりする。

志村けんさんが亡くなった話は忘れている。

「うそー！？」とびっくりしている。

帰宅中の様子を聞くと「寂しかった」と言う。

私は「みんなが会いたがっとるよ。誰に1番会いたい？」と聞いてみる。

「Mちゃん？U？Kくん？お姉さん？」具体的に名前を出して聞く。

パパは、首をふって違うと。

「誰にも会いたくない？」と聞くと、

「まぁちゃん(私の事)がおったらそれでえー」と。

ちょっと泣けるやないかい！と思う気持ちと、そりゃそのくらいの存在やろ！？と思う気持ちの半々(笑)

 

血管外科部長回診。

「不良肉芽もなく経過良い。（リハビリでの歩行状態などを確認される）後はリハビリだね〜。回復期リハビリテーション病院が混んでるらしくて…

この状態なら、もう連携室に言って進めようかね。」

左鼠蹊も診て、「こっちはもう良いね〜」左鼠蹊は治っているとの事。

 

夕食に「卯の花」を買って行くと、夕食が来る前にほとんど食べてしまう。

美味しそうに食べる。

 

ポータブルトイレ大きいものに変えてくれる。これで移乗が少し楽になる。「大きくなったやろ？」と言うと、「ちょっとおおきいな。」と。

 

長女が一緒に泊まってくれる。

そして、また激しい興奮の夜が始まる。

天井を見て、椅子の上に立って手を伸ばせ！と、私と長女に指示をする。

もう、笑いながら長女と二人で椅子の上に立ち、万歳する。

「何なんこれ！？」と笑う私達に怒っている。

3人で川の字で休んでいると…

「お前ら颯(次女のこと)をどこに隠した？」と怒りだし、私と長女の間を探しだす。

布団をよこせ！と怒り始めた時、長女の中の「パパDNA」が騒ぎだし、パパのHEADのTシャツを「ほれ！」と投げる。

私と長女はケタケタ笑っていたが、パパは真剣で(笑)

「わしのHEADやないか！！」と更に怒る。

 

精神安定剤、睡眠導入剤服用せず！

23:30頃に20分ぐらい入眠するが、その後は朝まで一睡もせず！

 

私一人なら、悲しくなったり、イラッとしたりすることも、「パパDNA」を持つ長女が一緒だったので、おもしろおかしく一晩過ごせた。

そして、ついに精神安定剤も、睡眠導入剤も服用せずに過ごせた！

長女、ありがとう。