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急変から40日目~一般病棟⑨~

急変から40日目~一般病棟⑨~

3月5日(木)


*鼠蹊部(ECMO抜管後の傷)の画像があります。モザイクをかけてぼやかしていますが、苦手な方は、ご注意ください。


回復期病院のMSWが来院して面談。 

名前、生年月日は答えれる。

ご飯を食べたことは忘れている。

回復期病院のMSWは、「何とか転院できそう」と言ってくれたが 

左鼠蹊部の傷を見て「これは…かなり深いですね…この傷の処置をウチの看護師ができるかな…」と。

表情が曇る。

正直、私も傷の深さにびっくりした。

深いだけでなく、壊死組織もあり、どう見てもまだまだ治療が必要。

「いつからこんなに!?」まずそう思って、猛烈に腹が立つ!

「この状態で転院すすめる!?」また、腹が立つ!

そして、回復期病院に転院できないかも!?と思い、もう、腹が立つ事しかない!!

感情が抑えられない私は口に出していた。

「こんなになったのはいつからですか!!? 毎日傷を診てますよね!?」

一言口を開くと、もう我慢はできない。

「この傷で回復期病院に転院できないなら、いつからどんな処置をしてたのか経過を教えて下さい!

 看護記録には記載があるはずですよね!? カルテの開示を希望します!!」

と、その場で怒り爆発する。

その場には、回復期病院のMSWともう一人スタッフ、大学病院のMSW、その日の担当の看護師、循環器内科の担当医師…

他にも居たような気もするけど、はっきり覚えているのはそのくらいだった。

大学病院側のスタッフは黙っていてが、

「まだ、お断りすると決めたわけではないですから…」と回復期病院のMSWが言い、転院後のフォローの話になる。

鼠蹊部の傷の悪化時の対応は、大学病院でできるのか!?等の話をつめる。


面談の後、大学病院のMSWとゆっくり話す。

MSWも「あの傷は私も初めて見ました。正直びっくりしました」と。

傷の話以外の話もした。

ちょうど、この日訪室してきた男性看護師が、茶髪で前髪は目が隠れるほどの長さ。言葉遣いもタメ口で…

この男性看護師を見て「あの看護師は、ウチの病院の看護師ですよね?!」と、MSWは眉をひそめていた。

「そうだと思いますよ(笑)」半笑いで私は返答する。

「アレはないでしょ?!」と、明らかに呆れていた。

その時は、まだ面談前であったため、私はどちらかと言うと、「まぁ。まぁ。」的に対応していた。


面談で傷を見てからは、怒り爆発だったので、日々の不満を聞いてもらっていた。

髭剃りができてない事や、簡単に抑制する事、TVもラジオもついていない時が多く刺激が少ない事や、食事介助の事等…

MSWは、「私から師長に言います!」と。

私は一旦断ったが、MSWは

「今日のあの男性看護師の事も言わないといけない。最近、スタッフの質が問われる事です!黙っておく事はできない」と。


師長に言ってくれる。 

師長と面談。私は自分が関われない悔しさと、主人の扱いが適当にされているような気がして悲しいのとで、涙ながらに訴えた。

師長は「現役で現場で働いていたときは、私も髭剃りに対して思うところがありました。しっかりやっていました。管理職となっても、口うるさく言っていたのですが、最近は注意していませんでした。初心に戻るきっかけになりました。申し訳ございません。」と。

抑制についても、急性期では簡単に抑制をするが、代替方法の検討について話してみた。

具体的に、腹帯の提案をした。

患部に手がいってガーゼを剥がす事を、完全に阻止できなくても、時間稼ぎにはなる事を理解してもらい、腹帯の着用を認めてもらった。

固定テープも、ガーゼの上に優肌絆で固定するだけでなく、フィルムタイプの物にしたら剥がしにくい事も提案した。

食事介助については、ここでも、ICU②の時と同じように「家族が見ているのに、食事介助で口の中に押し込むような行為をするのは、それが間違っている事。まずい事。と、看護師が認識していないのが問題です。」と伝える。

師長からは謝罪のみで、弁解をすることは一つもなかった。


そして、その後は、A医師、担当医師からIC。

傷についての説明があった。 

「CRPは下がってきている。炎症はあるだろうが、このまま経過観察しながら対応していく」と。

今日から、固定テープ変えて、腹帯開始。

駐車券も再契約する。


パパは、私と二人になった時、必死に「そこはいかん!」と、掛け布団の置いている場所を気にする。

そして、「ぽっぽが…邪魔になってないか?そこらにおった」とサイドテーブルの下を、起き上がって探している。

「ぽっぽ」とは、我が家の愛猫。現在18歳。もうすぐ19歳になる。

パパはご飯もやらないし、トイレの掃除もしない。シャンプーもしなければ、爪切りや投薬の病院にも連れて行かない。

でも、リビングでくつろいでいるパパの足元に、ピタッとくっついていた。

「ぽっぽ~。お父さん動けんよ~」と、聞き慣れない声を出して、デレデレの顔をしていた。

たぶん、ぽっぽは、帰って来ないパパの事を心配して、家のリビングみたいに、ベッドの上に来てくれてたんやね。

奇跡の生還を果たして、いろんな体験をしているパパには、ぽっぽ見えたんやね。

猫は神秘的な生き物。長寿猫のぽっぽは、パパの所にいける力もあると思う。ぽっぽ、ありがとう。





口渇を訴える。水を一気に飲む。こんな行動も「声かけて、飲ませてもらえてないのかな」と思ってします。

そして、相変わらず、髭も剃ってない。面談前に私が髭剃りする。 

いろいろあって、疲れて、洗濯物を持って帰るのを忘れた…(笑)


鼠蹊部の写真↓↓↓

グロいので、モザイクかけています。

苦手な方は見ないで下さい。






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